中国語ばたばたITブログ

中国語翻訳業をぼちぼちやってます。仕事のかたわら、気になる中国のIT、SNS、越境EC、物流、教育のニュースとか。中国の広州に5年住んでた二児の母。ダンナと長男はラガーマン。次男はいつから始めるのかな。

インクルーシブ・ファイナンスと一帯一路

(以下、ジャック・マー氏のインタビュー部分より一部翻訳)

習近平主席が提唱した「一帯一路」は本当に素晴らしい創意と構想だと思います。私たちからすれば、一つのチャンスでしょう。私は去年820時間飛行機にのったので、一帯一路構想はとても重要な事だと受け止めています。(いろいろな場所に)訪れた目的というのは、私たちがどのような場所でも違う事ができるという事を確かめるためでした。訪れた場所でものを売る事を考えたり、もっと安い労働力や原材料を持ち帰るためではなく、その場所で雇用を創り出し、経済を創り出し、人々の暮らしを豊かにするために訪れたのです。

「一帯一路」と元来のグローバル化の一番大きな違いは、すべての人に恩恵のあるグローバル化かどうか、という事なんです。より多くの若者に、より多くの女性に、より多くの零細企業に、より多くの発展途上国に参加する機会を与えています。ですから、私が走り回った後に感じたのは、チャンスでもあり、責任でもある、のです。

 南米から戻ってきてわかった事ですが、南米でもヨーロッパでも、アメリカでもほとんどの人たちは私たちのキャッシュレス社会やインクルーシブファイナンスの発展に注目していました。グーリンスパンやソロスを含め、西側諸国は私たちに注目しています、なぜならそれは中国で始まっているからなのです。

 

www.dsb.cn

本業が忙しくて、ざっとしか訳してないのがいけないんですが、インクルーシブファイナンス……という言葉を正直きちんと理解できてないところがあります。私のイメージだと、貧困層を排除しない金融システム、みたいな感じです。……誤訳だったらすみません><

そして「すべて中国からはじまっている」という馬雲さんの言葉、実際中国に5年住んでた主婦としても、そうだろうなーと思います。

Wechat payment(微信支付)やタオバオの支付宝を実際に使ってみて、その手軽さとわかりやすさに「おぉ」と思ったんですね。特にマーさんには悪いけど、WechatPaymentの手軽さには恐れ入ります。LINEもLINEPayってあるけど……いまいちそのお得さ加減がよくわからない。日本ってサービスが乱立しすぎてて、一般人にはわけがわからないんですよね、クレジットカードとか電子マネーとか、ほんとうにわけがわからない!(私だけですか?)

中国には、一部の金持ちとそれなりの会社に勤めるサラリーマンをのぞいて、クレジットカードを持ってる人は殆どいなくて、というのが、私の知る限りは、一般人は与信がとれない、つまり勤め先もしっかりしていない、資産がそこまでない人が多い(すでに過去形だと思うけど)事もあってクレジットカードを持てないわけなんです。私の中国人のママ友たちはかなりの金持ちなんで、ほぼ全員持ってると思いましたが、たとえば中国語の先生とかその友だちとか、そうじのおばちゃんとか、大半の人達は当たり前のように持ってませんでした。(多分今は結構持ってると思われる)

そのために発展したのが、銀聯という機関を通じて決済されるデビットカードの仕組みでした。銀行からWechatPaymentに簡単にチャージができて、そこの中で簡単に決済ができる仕組みなんですが、んまーーとにかく使いやすい。だいたい3タップくらいで決済完了なんじゃなかったか。たぶんLINEもそうなってるけど、、、使ったことがないよ。

中国はクレジットカードを持つ人がほとんどいなかった→みんな普段はWechat Paymentを使い、タオバオで買い物するときは支付宝Alipayを使う、という二択しかないので迷う必要がない、しかもその二つがめっさ使いやすい。この流れで、国が「はーい、キャッシュレス化しまーす、みんなOKね?」となっても「はーい、問題なーし」みたいなかんじで一気に事が進んでるようにみえます。

記事を読むと、馬雲氏がいう「インクルーシブファイナンス」の中には貧困層を排除しない金融システム、だけじゃなくて、いわゆる物流でも、24時間でモンゴルやチベットもものを届けるし!という、物流面でも貧しい人を排除しない、という事が含まれていると思われます。

金融サービスや物資的な恩恵へのアクセスが制限されていたゆえに、本来可能なはずの便利な生活や安定、ビジネスの事業拡大や利益をあげるような機会を失っていた人たちにもチャンスがあーーーる、という事なんですかね。

だよなあ、なんか日本で起こっている様々な事にもなんとなく通じるような気がします。ざっくりした感じですが、また後日書いてみたいと思います。