中国語ばたばたITブログ

中国語翻訳業をぼちぼちやってます。仕事のかたわら、気になる中国のIT、SNS、越境EC、物流、教育のニュースとか。中国の広州に5年住んでた二児の母。ダンナと長男はラガーマン。次男はいつから始めるのかな。

中国No.1のイヤフォンメーカーの社長が前職をやめた理由

娘の学校の手続きが……

  多分、谢冠宏も思いもよらなかったのではないだろうか、フォックスコン創始者である郭台铭の元、最年少で事業部長になり、毎年会社に百億以上の売上をもたらし、アップルやamazonKindleなど大口顧客の注文を取り付けたのに、突然まったくばかげた事で追い出されてしまうなんて!

2012年の10月下旬、谢冠宏は台湾から日本へ向かう飛行機に乗っていた。東京へ娘の学校の手続きに行こうとしていたのだ。離陸直前になって、彼の携帯が突然鳴った。ファックスコンCEOの郭台铭が彼にどうして会議に出席しないんだ!と詰問している。「もし帰ってこないなら、もう戻ってこなくていい!」

谢冠宏はすぐに謝って、「いや、前もって休みは申請してあったんですが、秘書がスケジュールに記載ミスをして…」と説明したが、この電話をすぐに切られてしまい、彼も「辞めます」と宣言してしまった。 谢冠宏の能力をよく知る同僚たちは皆、彼を説得した。「だいじょうぶだよ、社長の怒りが収まったら、彼に謝りにいけば、きっと許してくれるさ」

しかし谢冠宏はそうはしなかった。彼の心はすがすがしかった。これは会社に入って以来10年ぶりの、二回目の休みをもらう時だ!

 

因为请假,他惨遭富士康开除!50岁开始创业,一不小心居然成为了“耳机之王”!

 

……そんな理由でやめさせられたって、めっちゃ理不尽。フォックスコンの社長って(汗)……と思ったんですが、さすが優秀な方だったんですね、、、転んでもただでは起きないとはまさにこの事。

彼はその後、半年間の時間をかけて、一緒にフォックスコンをやめた仲間たちと毎日のように深圳に集まり、何を作るか、を話し合います。で、これまでやってきた得意なことをもう一度やった方がよい!と主張する仲間たちに対して、「いや、そうはしない」と拒否。

「僕は、イヤフォンを作るよ」

彼は試行錯誤の末に、イヤフォンを作り始めるわけなんですが、今までと違ったのは、毎回新しい商品を世に出すときには、サプライヤーと共同開発したものを売る、という方法。技術が盗まれてしまうーと心配する仲間をよそに、とにかく合理的なしくみを取り入れ、消費者の要望をすぐに製品に活かして改善することを徹底していきます。唯一のKPIは、消費者満足度No.1のイヤフォンブランドかどうか。2013年には小米(シャオミー)とヘッドセットタイプイヤフォンを発売。今では中国No.1の流通量を誇ります。

アップルよりもファンが手ごわい

最初から順風満帆ではなかったみたいですね。挨拶に行ったら、サプライヤーから詐欺師扱いされた事もあるらしい。ファンからも「ズボンのポッケにいれたまま洗っちゃった」と微博に投稿されたら「なにくそー」と、出荷前に、洗って乾かして洗って乾かして…と3回やってから出荷OKにしたんだそうな。す、すごいです。今は、「とにかく謙虚に頑張って、いつかアップルを抜きたい。中国台湾のイヤフォンは世界一を目指す!」んだそう。頭がいいって、こういう人の事をいうんだなー。50歳で起業……かっこいい……。私がいいなーって思ったのは、失業しちゃったあとにみんなで「何を作ろう?」って考えたってところです。もちろん何を作るかは前とは違う道を選択するわけですが、やっぱり「何かを作る」っていうところは変わらなかったんですよね。だって、有能なんだから、きっともっと他のことだってできたと思うんですよね。でもやっぱりものを作るってあたりが古風な私には響きます。私はまだ使ったことがないんですが、チャンスがあれば1Moreのイヤフォン、買ってみたいです。

 

なんかよさそう……欲しいじゃん……

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